マクドナルド化する回転寿司

先週、研究室の留学生に「マクドナルド経営ゲーム」ってなフラッシュで出来たシミュレーションゲームを教えて貰ったのだけど、回転寿司屋もこのゲームと合い通じるところがあって面白い。一応、このゲームは経営とは何たるかを学ぶという「教育的目的」の為に、マクドナルドを例として作られたものだという触れ込みらしいのだが、どう見ても少々キツ目のブラックジョークにしか思えない。ある種サウスパーク的なね。
ちなみに本ゲームは、小麦や牛の牧畜から加工、ハンバーガーを作る店員・売る店員のモチベーション管理、さらには経営のための広告戦略までを一手に考えていかなきゃならないという、かなり奥の深いゲームだったりする。それのどこがブラックなんだ?と言うと、例えば、下記のシーンは、牛を早く太らせる為にドーピングをしているシーン。

一見便利な回転寿司管理・勘定システムも裏を返せばこのマクドナルドゲーム(いや、マクドナルドの生産管理システムと言っても良いか)と全く同じ構造なのが理解出来る。確かに便利ではあるし、その有用性も疑う気は無いが、一抹の恐さを感じるのもまた事実。
有名な本ですが、一応。↓

マクドナルド化の世界―そのテーマは何か?

マクドナルド化の世界―そのテーマは何か?

マクドナルド化(Mcdonalization)は、簡単に言うならば、人間の技能を機械(人間に寄らない技術体系)に置き換えることで、いかに合理化するかというものである。合理化するためには、1:計算可能性、2:予想可能性、3:効率性、4:制御、の四つの条件が必要になってくるとされる。その良し悪しは置いといて、少なくとも今日「マクドナルド化されていないもの」を探す方が困難だろう。*1

*1:■計算可能性>特に消費者にとって:
質より量を重視。数量の重視と質への相対的無関心が特徴。値段や数量:安い、量が多いなど。例えば100円バーガ。質:味覚への無関心。
■予測可能性>特に消費者にとって:
提供サービスが均質化されることで、消費者は自分がとるべき行動を予測できる。注文→支払い→受け取り→食べる→片付けるといった具合。
■効率性>特に消費者、サーヴィス提供者側にとって
:時間短縮や消費者の満足度を考え、効率的なシステムを構築。例えばドライブスルーやセルフサーヴィス、クレジットカード決済など。回転寿司のICチップによる勘定計算もそれにあたる。
■制御>特に管理者側にとって:
人が考える必要と能力を生産システムによって制御。例えば徹底化したマニュアル教育による業務(客への応対や、分業)の単純化や、商品在庫・仕入れ・売り上げのコンピュータによる管理など。