共感覚

 絵を見てこの絵は「暖かい」と感じたり、或いはアイツはネバっこいヤツだなぁ、などと言う事は良く見受けられると思います。人の性格は、物理的に感じることは出来ません。言語を介して感じる事しか出来ないものですが、このようにネバっこい=粘着質=シツコイ奴だという風に、触感と同期化させてその人の性質を現すことが良くありマス。サッパリした性格だとか、しょっぱいヤツやとか、こういったのは味覚と同期化しています。

うるさい色だとか、静かな色だ、といった感覚も、視覚と聴覚の同期化が起こっている一例としてあげることが出来るでしょう。

このように、本来別の感覚器によって感じ取られる感覚を、同期化させて体験したりあるいは表現したりする、こういう感覚を「共感覚」といいます。


共感覚というのは、勿論、その人の過去の経験から紡ぎだされた純粋に主観的なものですから、青い空を見て辛いと感じる人も居れば、甘いと感じたり、うるさいと感じたりする人も居るでしょう。

確か「日経サイエンス」あたりで読んだと思うのですが、この共感覚というのは実際に測定する事ができなくもないそうです。というのは、ある刺激(外部からの情報のインプット)によって、脳味噌のどこの部位が働く(つまり感覚する)というのは、計測出来るそうなのですね。例えば、辛いものを食べてそれを舌の味蕾という部位が感覚(辛さというのは味覚ではなく、痛覚で感じるらしいけど)し→その情報が脳に行き、辛いと知覚される訳ですが、その知覚している時に働いている脳の部位をある程度、特定できるという訳です。で、たとえば何かを「見た」時、「聞いた」時に、その辛さを知覚していた脳の特定の部位に情報が連結されると、「見た」体験を「辛い」
体験として知覚することになるわけです。ですからここでは共感覚が成立した、と言う事になりますわな。

さて、そこでビールとカプースチンの音楽が合わない、というのは一体何なんだ?という話です。

簡単に言えば、ある音楽を聞き、感じ取ったイメージと、ある飲み物を飲み味わった感覚あるいはイメージとの間に整合性が無い、という事です。

そもそも聴覚と味覚は繋がるものでは無いのでしょうから、整合性が無くて当然なのですが、すくなくともビールとカプースチンを合わない、と感じたという事は、「何か他の、合うもの」を知っていると言う事です。それが何だかは直ぐに思い出せませんが。

例えばジャズとバーボンみたいなもんでしょう。人によってはジャズとバーボンは波長が合うんだなんて言い出しそうですが、コレは間違いではない。実際に本人の脳内の現象として、それは整合性があるモノなのです。


とにかくビールの味はカプースチンに合わない!

詳しく、そして正しく知りたい人は以下をどうぞ。
http://www.ccad.sccs.chukyo-u.ac.jp/~mito/yamada/chap2/#8