当然、根底にはカーストとダルマ(法)が居座っている訳だ。


カースト制度は、直ちに経済的貧富を表すものではない。貧乏なバラモンも居れば、裕福なシュードラやアチュート(アウトカースト)も居る。それはまず確認しておきたい。
 とは言え、カーストによって職業選択の自由は制限されているから、ある程度経済的格差はカーストに比例している。それも事実だ。ハイカーストであれば社会的に有利であるのは間違いない。基本的にカーストは出自によって一生付いてまわるものであるが、一応例外もある。カーストを変える機会があるわけだ。ここがポイントだ。

例えば婚姻の際の慣習として以下のようなものがある。
男性の場合、婚姻可能なのは同カーストか、或いは自分よりも下位のカーストに属する者。女性の場合、婚姻可能なのは同カースト、下位カースト、そして上位のカースト。この差は非常に大きい。花嫁が上位カーストに嫁ぐ事で、その一族も上位カーストに位が上がる。これをハイパガミーというらしいが、このハイパガミーが求められる結果、花婿側と花嫁側において権力関係が確定されてしまう。

花嫁側は花婿側に付き従わざるを得ない。そう、ダウリーの要求を呑まざるを得ない。
花嫁側の願望を少し撫でてやるだけで、花婿側はダウリーを絞りとる事が出来るのである。
そしてダウリーが絞れなくなったところで・・・。と。