川本喜八郎逝去:世界的人形アニメーション作家
川本喜八郎さんが亡くなった。享年85歳とのことであった。人形アニメーション作家と言ってもなかなかイメージが湧かないだろうけれど、NHKで放送していた「ひょっこりひょうたん島」や「三国志」の作者と言えば、誰しもが、あ〜なるほど、となるのでは無いだろうか。
私も小学生の頃に三国志の再放送だかを、テレビでみた事を朧げながら覚えている。随分経ってから、大学生の頃にチェコのパペットアニメーション(おおよそヤン•シュバンクマイエルであったが‥)に興味を持ってから、色々と漁っている過程で再会して以来、フェイバリットな作家さんになった。
海外のパペットアニメーションにも大きな影響を与えている川本喜八郎作品であるけれども、その一番の特徴は、独特の美意識にあったのだろうと思う。川本喜八郎さんの作品は、非常に気品があり、映像芸術作品と呼ぶに相応しい、美しい映像に満ちている。蒔絵と見紛う絢爛な背景画に、文楽人形のような端正な面立ちの人形達が物語を紡ぐ様は、それ自体が絵としても一級の美術作品だ。
人形達は語りはしないが、それらの持つ表情、居素動作から彼等の繊細な感情が伝わってくる。
私が好きな作品は、「火宅」「道成寺」といった、日本の古典に題材をとったものだが、岸田京子の語りも素晴らしい「いばら姫」、実質的な遺作となった折口信夫の「死者の書」も外せない。
まだまだ素晴らしさは語り切れないが、に日本はまた一つ偉大なる巨匠を失った。
お悔やみ申し上げます。動画は、「鬼」これも面白い。
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