美術
SUPERエッシャー展(@東京 東急文化村)06年12月31日
エッシャーのコメントに「私は芸術家よりも、数学者や物理学者の方に親近感を覚える」といったようなものがあった。確かに納得の作品群。秩序や論理の美しさを知り得たからこそ描けた世界観なのだろう。しかしそうした世界観もほんの一捻りを加える事で、それらは容易に視覚・感覚を惑わし欺き錯覚を生じさせるものともなる。エッシャーはこの辺の矛盾も楽しんでいるようだった。
ピタゴラスが数に異様な執着を持ち、神秘なるものとして崇めていたという話もあるが、数も含めた意味での「論理」というものは、人間が見つけ出した(生み出した)ものとして最高にして崇高なる構築物なのかも知れない。
帰り際に、ルイスキャロル著「不思議の国の論理学」を購入。書簡風の小物語や、童話、論理パズルなどアイデアの詰まったメモ帳といった風合い。数学者にして童話作家?(不思議の国のアリスの作者)というだけに、いちいち理屈っぽいながらも奇抜で面白い。
- 作者: ルイス・キャロル,柳瀬尚紀
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/08
- メディア: 文庫
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