映画(@映画館)今・筒井ファンタスティックナイト(@京都みなみ会館)
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下記ページの解説・批評が一番的を得ているように思う。http://hideo.269g.net/article/112735.html
一番先に思ったのは、この世界、大学(特に言えば文型の学問)と酷似してるということ。
東京大学の博士号を持っていても研究職に就けるのは2割3割、だからその事実を受け入れた上で勇気を持って研究者を目指しなさいよ、とどこかで聞いた事を思い出した。学会発表や論文投稿、研究会、内々で論評をし合い社会とは一線を画した高尚な論議に酔いしれる。しかしそれらが一体何を生み出しているのか?考えることに意味がある、というかも知れないが、本当に意味などあるだろうか?
映画の副題「大いなる助走」という言葉も感慨深い。大学にしろ文学にしろこれも一緒である。広く社会一般に公表されることの無い知識や研究や文学、いつか・いつか・いつか、と果てしない助走は一体いつ終わるのか。
映画の中で同人文学誌の主催者である文房具屋の店主(蟹江敬三)は確かこんなような事を言った。
「一体ここに書く事が何になる?皆、その事には気が付いているんだ。でもそれを言ったらおしまいじゃないか。俺はもうこんな年になってしまった。」
昨年までの自分を振り返ると言葉が的を得すぎていて怖くもなるし、実際に現状でも怖い。社会との接点を大きく持たない知的享楽に耽る為には、極端に言ってしまえば、社会と関わらずに一人で生き、そして死んでいくという覚悟が無ければならないんだろう。
兎に角、冷や汗が出る映画でした。
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