怪文書
なんだかんだあったりなかったりして、いま東京に来てます。
で、ただいま帰りの車中なんですが、たまたま隣りに座ったオッチャンの携帯メールを盗み見ていると、なんだか非常に怪し面白い内容だったので、特別公開させて頂くことにしました。
オッチャンありがとう。
オッチャンは大体、年の頃44、5歳、中肉で背は低め。ラフな青いジャンパーっぽいコートを羽織っておりました。
顎近くで揃えられた白髪交じりの河童型長髪が、なんだか耳の垂れている犬のような髪型やなぁ、とか思ったり思わなかったりしながら、オッチャンの隣りに座ってた訳です。
僕が隣に座る前から、オッチャンはずっと手元の携帯と格闘しておりまして、
あぁでもない、こうでもないと、ボタンを弄繰り回しておりました。
そんなに必死になって、一体なにやってんねやろ、と当然気になるわけですよ。これは僕がマーシー(今日、実刑判決出ちゃったらしいね。かわいそ。いや、当然か。)ばりの素敵な趣味を持ってる、ってことじゃなく、人の性なのだと強く主張しておきますが、まぁ、横目で携帯のディスプレイを除き見たわけです。
で、どうやらメールを打っている。
まず始めに
「帰りは 十二時過ぎるな」
あぁ、なるほど遅くまで仕事頑張ってて、ようやく家に帰れるんやな。お疲れさんです、なんて殊勝な事は思わず、何気なく見ていると、
「君」
いまどき、二人称でキミなんて言葉をつかう人がいるんやな。
「おい、お茶」と同じくらい、絶滅危惧されている言葉のような気がする。
「君・おい・お茶」なんとダメな響き。
(「お〜い お茶」ってネーミンングはココから来てるんだろうか。)
「君 会社を出る時は」
残業中の部下にあてたメールなのかしら。こんな呼び方してると、富井部長みたく尊敬されなっちゃいまっせ、と。
なんやろ、ガスの元栓締めろ、とか、戸締りに気をつけて、とかかな。
「君 会社を出る時は、電話線を抜いておいてくれよ。」
・・・・・・・・・・・・
えーー
なんでやーーーーーーーーーーー!!?
「ほかのコードは抜かないでいいから」
いやいやいやいやいや、
明らかに電話線も抜かんでええやろ。
怪しい。怪しいぞオッチャン!!!!
こんな時間に、なんで、電話線を…。
電源プラグを抜くのなら分かる。全然問題ない。
でも、電話線って。
うーむ。
電話線つないどくと、電話料金が掛かる、なんて思ってないよなまさか。
と、いうか、考えるまでも無く、明らかに着信拒否な訳ですわな。
電話かファックスか分からないけど、
苦情やら取り立ての電話やらがバンバン掛かってくる可能性があるのでしょうな。
電話が夜中中なり続ける可能性がある。
そうすると何が困るかってぇと、音だ。
夜中に電話がなり続けたらウルサクテ仕方ない。
もしかしたらマンションの中にある結構狭いオフィスだとか、あるいは住宅街にあるオフィスだ、とか
そういった理由で、以前、隣人にも苦情を出されたんじゃなかろうか。
で、
ヌケ
と。
という推論は如何でしょう・・・まぁ、なんにせよ
東京は面白いなぁ。