BIG ISSUE
別に、ホームレスの方の生活支援をしたいとか、特に雇用創出の問題に関心があるからBIG ISSUEの事を記しておきたい、という訳では無い。
BIG ISSUEというと、どうしても主にそういった側面から語られる事が多いのだけど、なんだか押し付けの善意のようで、僕はあまり好きじゃない。もっと分かり易く宣伝したら良いと思うのだ。
◆何が言いたいかというと、
つまり、面白いので買ってみてはいかが?という。
無論、社会活動(運動)としてのBIG ISSUEというのは、一考に価するし、評価出来る側面も十分にあると思う。しかし、そんなのは二の次で良い訳で、まずは雑誌として割合と面白い部分がある、という事を強調してみたいのだ。
◆どんな記事が書かれているか? というと
実は意外と記事に力が入っていたりするのだ。
例えば、ミッフィーちゃんが目印の今月号の記事を書き出してみると
- ディック・ブルーナ(ミッフィーの作者)へのインタビュー
- 井筒和幸監督へのインタビュー
- 塚本晋也監督へのインタビュー
- モーガン・スパーロック監督=ハンバーガーだけを一ヶ月食べ続ける生活をドキュメンタリー映画化した人。→映画タイトル「Super Size Me」アメリカで大ヒットしたとかしないとか。
- レバノン共和国の、抵抗運動家、スーハ・ビシャラへのインタビュー記事
- 世界の「郵便」事情
などなど、今月号は映画監督へのインタビューが多いものの、実に興味深い内容が多いわけです。これはなにも、今月に限ったはなしでもなく。
◆これまでに載ってきた/これから載るであろう記事の内容について〜
Big Issueではその時勢に合わせて、要注目すべき人物へのインタビューや、問題となっている(が中々表面化しない)社会現象について語った記事が載せられている。例えば、ファーストフード産業の今、とか、自分の「顔」とどう付き合うか?(醜形恐怖症の話、ユニークフェイスの話など。タトゥやピアッシングの話も載っていた。*1 )と、いったような記事が今までに掲載されてきている。
記事の内容から察せられるように、特に対象としている年齢は、10代後半〜30代くらいなのだと思う。こういった世代の人間が、問題を、問題であると認識すべく、ある種啓蒙的な意味も込めてこの雑誌は作られている、というような気もする。知らないで済ませて来た問題に気が付かされる、といったこともあるのだ。
まぁ、なにせ雑誌のタイトルからして「BIG ISSUE」ですから。
しかし、だからといって文章の語り口は決して威圧的ではないし、「このままじゃ地球が破滅だ!!」みたいな、脅迫的な狂信的内容でもない。BIG ISSUEはあくまで親しみ易く、平易で、日常用語・日常感覚で話しかけてくる雑誌なのだ。
それは同時にこうも言える。物足りない、と。
◆内容についての若干の不満
無論、そんなに紙幅が広い訳*2ではないから記事の濃さも比例して幾分薄くならざるを得ない。BIG ISSUEを読んだだけでは、例えばファーストフード産業の全貌を見ることは出来ない。なんというか、BIG ISSUEは社会問題への入門書のようなものなので、理解を進めるためには不十分なのだ。この物足りなさは何とかした方が良いとは思うけれど、しかし200円という値段、扱う内容の広範さ、などを加味すると中々難しいことなのかとも思う。これが今後の課題なんじゃないかなぁ。
あと、年齢層を低く設定しすぎているような気もする。平日の日中に、街路を歩いているのは誰なのか?という事をもう一度考えなおし、その上で掲載記事を練り直してみてはどうだろうか、と思う。
っていう感じです。
なんだか、結局、お堅い感じの紹介になっちゃったんだけど(笑)、
もしこれを読んで興味をもった方がおられましたら、買ってみてはいかがでしょう。まぁ、そんなに損はしない?んじゃないかとも思います。
200円でつ。
BIG ISSUE JAPANのホームページ↓
http://www.bigissuejapan.com/index.html