嗤う嗤う伊右衛門 [DVD]出版社/メーカー: 角川エンタテインメント発売日: 2004/07/23メディア: DVD クリック: 18回この商品を含むブログ (94件) を見る

京極夏彦作の「嗤う伊右衛門」の映画版を観た。



◆結論から言うと

この「映画」は「好きじゃない」です。そして多少期待していただけにガッカリしました。原作は好きなだけに。


◆映画版が「好きじゃない」理由

詰まる所、単なる残酷エログロ映画に没してしまっている印象を受けたからでしょう。蜷川監督の映像の美学?にあまり感心出来ませんでした。これが主たる理由。

で、従たる「ガッカリ理由」ではありますが、宇崎竜道さんが担当した「音楽」が映像にも、作品の雰囲気にも全く合っていない事が挙げられます。宇崎さんは、一体どのように原作や脚本を読み、理解し、感じ、そしてこんな音楽を付けたんでしょうか。理解できませんでした。映画を観ていて、こんなに「気になった」映画音楽はあまり無いです。本当に残念だ。

文句ばかり垂れていても仕方ないので感想の総括はこれにて、終了。


◆映画版で良いと思った点

何しろ、役者が豪華だった点でしょう。有名だ、という意味での豪華さではなくて、「演技の上手さ」という意味での豪華さで御座います。

特に

  • 「按摩の宅悦」役:六平直政さん
  • 「小股潜りの又一」役:香川輝之さん

の二人の演技が素晴らしいです。文句無し。何しろ上手い。この二人が作り出していた雰囲気がこの映画を何とか倒壊の危機から救っていた気がします。京極夏彦の作品からそのまんま抜け出してきたかのような強烈でギトギトした個性が、たまらなく良いなぁ。

あまり椎名桔平さんは好きじゃないんだけど(笑)、でも演技は上手かった。このイヤラシサは天性のものなんじゃないか、と思わず疑ってしまいたくなるほど、イヤラシイ役を上手く演じておられました。

まだまだ荒削りという感じは否めないけれど、これだけの屈強な俳優陣に囲まれているにも関わらずそことなく光るものを感じました。って偉そうやなぁオレ(笑)これからどうなるか楽しみな役者さんでげすなぁ。

小雪好きだなぁ。綺麗です。終了(笑)