川本喜八郎逝去:世界的人形アニメーション作家

川本喜八郎さんが亡くなった。享年85歳とのことであった。人形アニメーション作家と言ってもなかなかイメージが湧かないだろうけれど、NHKで放送していた「ひょっこりひょうたん島」や「三国志」の作者と言えば、誰しもが、あ〜なるほど、となるのでは無いだろうか。

 私も小学生の頃に三国志の再放送だかを、テレビでみた事を朧げながら覚えている。随分経ってから、大学生の頃にチェコパペットアニメーション(おおよそヤン•シュバンクマイエルであったが‥)に興味を持ってから、色々と漁っている過程で再会して以来、フェイバリットな作家さんになった。

 海外のパペットアニメーションにも大きな影響を与えている川本喜八郎作品であるけれども、その一番の特徴は、独特の美意識にあったのだろうと思う。川本喜八郎さんの作品は、非常に気品があり、映像芸術作品と呼ぶに相応しい、美しい映像に満ちている。蒔絵と見紛う絢爛な背景画に、文楽人形のような端正な面立ちの人形達が物語を紡ぐ様は、それ自体が絵としても一級の美術作品だ。
 人形達は語りはしないが、それらの持つ表情、居素動作から彼等の繊細な感情が伝わってくる。

私が好きな作品は、「火宅」「道成寺」といった、日本の古典に題材をとったものだが、岸田京子の語りも素晴らしい「いばら姫」、実質的な遺作となった折口信夫の「死者の書」も外せない。

まだまだ素晴らしさは語り切れないが、に日本はまた一つ偉大なる巨匠を失った。

お悔やみ申し上げます。動画は、「鬼」これも面白い。




興味がある方は下記を見てみてはいかがでしょうか。

川本喜八郎作品集 [DVD]

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インターネットの情報はどこまで信頼できるのか

LastFMというネットラジオ+SNSみたいなサイト(※このページの上方に表示されているプレイングリストもそのサイトの一機能を用いている)に、アーティスト紹介ページというのがある。

たまたまその中の「Rekevin」というアーティストの紹介文を見てみると、自分がこのブログで以前に書いた記事を中途半端に転載?(RSSとかのリンク張った訳じゃなさそう)したものだったのにびっくり。元々、LastFMの紹介文とかも参考にしながら書いたものだったのに、それが逆輸入されてしまった格好だ。

確かに日本語で紹介しているページはこのブログ意外に無い(と思われる)ので、転載してくれても全然構わないんけれど、どうせならもうちょっとちゃんと書いたやつだったら良かったのに・・・等と思うことがあった。

オリジナル記事
 http://d.hatena.ne.jp/necromantic/20090328

LastFMのページ
 http://www.lastfm.jp/music/Rekevin

 今更改めて語る程の事ではないが、インターネット上には、良くも悪くも情報が溢れ返っている。いまや死語となりつつある「web2.0」という言葉でかつて語られたように、webの世界は、特定の何者かによる一方的な情報の発信という次元から、相互発信しながら無限に増殖していく次元に移行してきている。
 このブログもしかりだが、インターネットを情報の受発信ツールとしてのみ捉えたとすると、もはやユーザとプロデューサの間には、それほど明確な線引きは出来ないだろう。
 それ故に、極端な話をすれば、日経新聞とスポーツ新聞、そして恐怖新聞便所の落書き的なものもインターネットというプラットフォーム上に流れている情報という意味では「等価」であるとも言えるし、時には便所の落書き的なものの方が、価値が高いとされる可能性すらあり得る。(それが本当に価値あるものなのかは別の話だが。)
 このような状態が望ましいのかどうかは単純に判断出来ないが、この傾向は、今後益々顕著になっていくに違いない。

 では、そうなった時に、一体私達はどの情報を「信じれば」良いのか?

「パブリックな情報」は、かつては発信者が限られていたから、それにより情報の信頼性が担保されていた。新聞の全てが正しい訳ではないが、それでも真実に限りなく近いものであることは誰もが疑わない点であった。
 しかし、誰もが均等に情報を発信する機会を得て、その情報受発信のあり方が趨勢を占めるようになった時、私達は情報の確からしさを「誰がそれを発したのか」ということではなく、「その情報は恐らく正しいと考えられる」という「情報の確からしさに関するリテラシー」によって判断していくことになるだろう。

 結局何を言いたいかというと、上のLastFMの話ではないけれど、ネット上に溢れ返っている多くの情報は、もはや元々の発信者が誰なのかも分からないし、それが信頼に足る情報なのかも断定は出来ない状況になっているから、常にインターネット上の情報は眉唾ものだ、ということを意識しておかなければならないね、ということだ。

特にRekevinの情報をLastFMで調べる時などは・・・。

最近聞いたものとか

土岐麻子 「乱反射ガール」

乱反射ガール

乱反射ガール

ポストCM声タレ女王との二つ名も名高い土岐麻子のソロアルバム。一曲目の表題曲にやられた。かなり良質のアーバンエレクトロポップ。この曲だけならfreetempoとか好きな人にも薦められる。
ただ二曲の「熱砂の女」は、ノスタルジックな雰囲気も漂うテクノポップで大分毛色が違う。これはこれでありか。
全般的に完成度が高いアーバンポップアルバム。

aufgang「air on fire」
Aufgang

Aufgang

ドラム+ピアノ二台のトリオ。テクノハウス+アンビエント系生ピアノ(どうもクラシックの素養があるらしい)が上手いこと調和して、独自の音になっている。ピアノのとテクノというと、割と綺麗めに調理されて、さらりと流れて行ってしまいがちなんだけれど、ドイツテクノっぽい?適度なダークさとひねくれ感が飽きさせない。

このトリオは、最近かなり話題になっているようだけれど、これを聞いて、お、と思った人は出来るものなら、日本のmouse on the keysも聞いてみて欲しい。いわゆるポストロックと呼ばれるジャンルだが、バンド編成(こちらはドラム+ピアノ)や方向性は共通するものがある。代表曲の「最期の晩餐」の張り詰めた美しさは、なかなかどうして素晴らしい。

toe 「for long tomorrow live tour 2010」

CUT_DVD For Long Tomorrow Tour 2010 02 15

CUT_DVD For Long Tomorrow Tour 2010 02 15

個人的には快作だと思っているtoeのアルバムのライブdvd。一体どうやってライブで再現するつもりなのか興味津々だったのは皆同じだと思うが、流石な実力で見事な再現性+ライブの緊迫感が加わり、大変良い出来。前掲の土岐麻子がゲストで参加している。(アンコールのgoodbye)しかしまぁ、音は兎も角、映像は凝り過ぎて失敗しちゃった感あり。

[dance]kento mori

マドンナとマイケルジャクソンに愛された日本人ダンサー(現役)Kento Moriさん。たまたまネットで見かけた、マドンナとのエピソード

以下 http://getnews.jp/archives/21620より転載

「Kento Mori」という日本人ダンサーを知っているだろうか?彼は現在、マドンナのツアーダンサーとしてヨーロッパ各国を周っている。海外のトップアーティストに日本人のダンサーが起用されたのはこれが初めてでは無いし、決して珍しいことでもないのかもしれない。しかし、「頑張っている日本人もいるんだなァ」程度に読み飛ばす人がいるのであれば、ちょっと待って欲しい。

彼の持つ歴史には、物語があるのだ。

彼は12歳でマイケル・ジャクソンと出会い、21歳でダンサーを夢見て単身渡米。だが渡米したもののマイケルはソロ30周年を祝う01年のコンサート以降大規模なコンサートは行っておらず、彼はマドンナのオーディションを受けることとなる。そして、マドンナのツアーダンサーとして、唯一アメリカでのオーディションから勝ち上がった日本人ダンサー「Kento Mori」は契約にも合意する。

だがその後、マイケルのロンドン公演のオーディション話が彼に飛び込んで来たのだ。そう、あのリハーサルのみで終わったマイケル・ジャクソン最後のコンサートだ。

「マイケルと仕事する事を夢見て、それを目標にここまで来た。これを失ったら、アメリカにいる意味まで失ってしまう。」

そう決意した彼はマドンナとの契約金を返上する覚悟でマイケルのオーディションにチャレンジする。マイケル・ジャクソンのオーディションは選ばれたダンサーのみが受ける事を許されるオーディションであり、誰もがチャレンジ出来る道ではない(今回は世界中でたった500人しか受ける事が出来なかったという)。その上、マイケルのラストの仕事と告知されていたロンドン公演。「Kento Mori」にとっても正にラストチャンスであった。そのラストチャンスを「Kento Mori」はゲットしてしまったのである。

それも、マイケル本人による他のダンサーよりいち早くの抜擢であった。夢は叶ったようにも思える。しかし物語はこれからなのだ。

結局「Kento Mori」はマイケル・ジャクソンと契約する事は出来なかった。
彼自身もマドンナに直接メールをするなど双方の調整に努力し、これもまた異例の事ではあるがマイケル本人がマドンナ本人に直接電話をし「Kentoを使わせて欲しい」と交渉したが、それすらもマドンナには通用しなかった。マドンナもまた「Kento Mori」を必要としており、マドンナはプロフェッショナルだったという事でもある。彼はマドンナのバックダンサーとして踊るしかない状況となったのである。

そこで舞い込んだ「キング・オブ・ポップマイケル・ジャクソンの訃報。

マドンナは直前に急遽プログラムを変更しマイケルとマイケルを夢見て生きてきた「Kento Mori」の為にスペシャルプログラムを組んだ。
マイケル・ジャクソンの扮装をさせ、マイケルの名曲「Billie Jean」や「Wanna Be Startin’ Something」に合わせ、「Kento Mori」にソロダンスを踊らせたのである。
そしてその動画を公式サイトのトップページに掲載するという事までマドンナは行っている。マドンナの男前っぷりと優しさにも感嘆するところだ。

このようなストーリーはフィクションであったら「出来すぎで萎える」レベルかもしれない。しかしこれは現実だ。
マイケル・ジャクソンはもういない。夢はもう形にはならない。しかしそれでも、「Kento Mori」には、また更なる「出来すぎで萎える」くらいのストーリーを描き出す、そんな活躍を期待して止まないのだ。

●マドンナとマイケルが取り合った日本人ダンサー「Kento Mori」のダンスは、マドンナの公式サイト< Madonna.com >で視聴する事が可能です。(2009年7月11日現在)

))に関心しつつインタビューをみたところ(@Youtube)、Kentoさんの非常に謙虚な姿勢と、情熱的で真っ直ぐな目に関心してしまった。

宇野亜喜良×結城座の「乱歩・白昼夢」@東京都芸術劇場

ほぼ同時期に東京都芸術劇場で 宇野亜喜良×結城座の「乱歩・白昼夢」の公演がある。結城座は今年創立375周年!の江戸糸あやつり人形劇団。今回は江戸うつし絵(幻灯のようなもの?)と人形劇を融合させたもののようで、恐らく写し絵の原画と人形のデザインを宇野亜喜良がしている模様。
間違いなく面白そうだが・・・日程が合わない。困った。

http://www.youkiza.jp/rampo/index.html

人形劇団プーク「牡丹燈篭」@紀伊国屋ホール

数ヶ月前、新宿の紀伊国屋でたまたまポスターを見かけて気になっていた 人形劇団プークの「牡丹燈篭」に行くことにした。(@紀伊国屋ホール、8月23日)
知らなかったのだがプークは、1929年に始まる創設80周年の人形劇団とのこと。本作も初演は1967年。1980年には本作で文化庁芸術祭大衆芸能部門芸術祭大賞を取っているそうで、嫌が応にも期待は高まる。

http://www.puk.jp/index0.html